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3Dプリンティング材料:種類、カテゴリ、使用事例

用途

3Dプリンティング材料に関する3部構成のシリーズのパート2では、3Dプリンティングのワークフロー、特定の材料の種類や特性、考えられる用途のほか、複合材料、バイオベース材料、生分解性材料、再生材料の概要についても説明します。

3Dプリンティングのワークフロー

3Dプリンティングのワークフローは、アイデアや目的が起点となります。それから、このアイデアとその用途に基づいて、作成しようとしている部品の要件について考える必要があります。部品には、柔軟性や強度、耐熱性が必要であるか、効果的かつ効率的に機能するために、部品に必要な特性は何かといったことです。部品の要件を設定したら、3Dプリンティング材料の最初の選択を行います。


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3Dプリンティングのワークフロー

材料カテゴリ

3Dプリンティング材料のカテゴリは公式なものではないため、表現するのがやや困難です。しかし、分かりやすくするために、材料を3つのカテゴリに分類します。以下の各カテゴリに関する簡単な説明と詳細を示した図をご覧ください。


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3Dプリンティング材料に関する話題は広範囲にわたるため、本シリーズのパート3に加えて、特定の材料と材料特性に関する記事を取り上げて定期的に繰り返して紹介する予定です。すべての最新情報については、ぜひUltimakerのブログにご注目ください。

産業用途と使用事例

前述のように、適切な材料は、成果物の使用事例や用途によって異なります。3Dプリンティングの一般的な3つの使用事例を詳しく見て、それらの使用事例に最適な材料をいくつか検討してみましょう。

製品開発

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Idea Reality社が3Dプリンティングによって作成したプロトタイプ

プロトタイピングやコンセプトモデリングを行う多くの場合、最も重要なのは、製品を可能な限り素早く市場に投入することです。製品開発は、迅速かつ安価なプロトタイプの反復設計を中心に展開します。この反復設計を通じて、製品設計の価値が証明されていきます。製品開発を効果的に進めるためには、プロトタイプには安価でプリントしやすい材料が選択されます – これが材料としてPLAとTough PLAがもっともよく使用さる理由です成果物が複雑な形状であれば、溶解可能なPVAやBreakawayなどのサポート材料が役立ちます。さらに、プロトタイプの見た目完成品に近いと都合がよい場合が多いため、仕上がりの美しい材料を選ぶのが賢明な選択となることもあります。

製造工具

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Ford社は、3Dプリントされた治具と工具を製造ラインで使用しています

3Dプリントされた製造工具によって、より効率的で効果的な作業環境を実現することができます。治具の使用によって組立ラインで時間を節約すること、固定具で製品を所定の位置に保持すること、軽量化によって工具の人間工学的側面を向上させることが思い浮かびます。ナイロンは軽くて強く、丈夫なため、こういった使用事例で広く採用されている材料です。製造工具の作成に役立つその他の材料には、耐摩耗性やESD保護、柔軟性を備えた材料や後処理が可能な材料があります。このような特性によって、作業環境に最適な部品を作成できるのです。

最終用途部品

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Ultimakerの3Dプリンターでプリントされた、ZEISS社製顕微鏡のアダプタープレート

最終用途部品は、破損したり傷がついたりすることなく、できる限り長く使用できなければなりません。そのため、環境の影響に耐え得る材料だけでなく、強固な機械的特性を備えた材料も考慮することが重要です。こういった材料には、耐紫外線性や耐薬品性、難燃性、耐摩耗性、耐熱性を備えた材料があります。ガラスや炭素繊維などの複合材料は、目的とする機械的特性を実現するために使用されることがよくあります。

バイオベース材料、生分解性材料、再生材料

バイオベース材料は、コーンスターチやセルロースなど、生物学的な供給源から作られた材料です。生分解性材料は、時間とともに生分解する材料です。再生材料は、再生含有物から作られた材料です。3つの材料はすべて環境に優しい選択肢であり、より持続可能性の高い3Dプリンティングを実現できます。Ultimakerマーケットプレイスでは、PLAなどのバイオベース材料や生分解性材料、PLA、ASA、ABS、PET-G、ナイロンなどの再生材料が提供されています。

複合材料

一方、複合材料は2つ以上の材料から作られた材料で、元の各材料とは異なる特性を併せ持っています。一般的な複合材料は繊維強化材料で、ガラス繊維、炭素繊維、ケブラーがあります。複合材料は、強度、剛性、耐熱性などの部品特性を改善し、部品の耐久性を高めます。つまり、複合材料は最終用途部品のプリントに適した選択肢です。

さらに、複合材料は高い強度対重量比を特徴とし、金属の代替品として使用される場合があるため、軽量ながら強固な部品を作成する際には非常に有用です。実際の強度は、使用されている繊維材料とその使用量に応じて、ある程度異なります。

これについても、Ultimakerマーケットプレイスでは、最終用途部品に適した機械的特性を実現するために使用できる複合材料をいくつか見つけることができます。詳細については、ガラス繊維材料と炭素繊維材料を比較したブログ記事をぜひお読みください。 

3Dプリンティング材料に関する詳細な情報をお求めの場合は、3Dプリンティング材料シリーズのパート1をお読みください。または、材料のページをご覧ください。特性別に並べ替えたり、特定の材料の詳しい説明を読んだり、使用事例に最適な材料を見つけたりすることができます。


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3D printing materials: Types, categories, and use cases