Glass vs carbon fiber composite 3D printing materials hero

ガラス繊維複合材料と炭素繊維複合材料の比較

どちらの3Dプリンティング材料を選ぶべきか

用途

ガラス繊維複合材料や炭素繊維複合材料を使用すると、部品の機械的特性を向上させ、熱溶解積層法(FFF)3Dプリンティングの汎用性を高めることができます。

たとえば、互換性のある3Dプリンター(Ultimaker S5 Pro BundleやUltimaker S3など)でガラス繊維複合材料や炭素繊維複合材料を使用すれば、高強度の部品を迅速かつ低価格で製造し、以下のことを行うことができます。

  • 形状を検証する

  • 設計を最適化する

  • 重量を減らす

  • 組立部品を統合する

  • 射出成形されるプロトタイプをテストする

  • 金属部品と交換する

しかし、そもそもどの複合3Dプリンティング材料を選べばよいのでしょうか。

Choosing the right composite 3D printing material is key to the success of your application
Choosing the right fiberglass or carbon fiber composite is key to the success of your 3D printing application

結局のところ、ガラス繊維フィラメントも炭素繊維フィラメントも、3Dプリントされた部品では同じような機械的特性を持つ可能性があります。

主要な材料会社(Ultimaker Curaマーケットプレイスでプリント設定プロファイルをダウンロード提供している会社など)であれば、以下の要素を調整することにより、さまざまな特性を高めることができます。

  • ベースポリマーの選択(ABS、ナイロン、ポリカーボネートなど)

  • ベースポリマーの混合(ABS + ポリカーボネート)

  • 繊維の長さ(長くカットしたもの、短く粉砕したものなど)

  • 繊維の含有率(ガラス繊維20%含有など)

  • その他多くの要素

では、なぜどちらかの繊維を選択するのでしょうか。

ガラス繊維複合材料と炭素繊維複合材料 – どちらが勝者か

BASF 3D Print Solutions Additive Extrusion Systems社の営業責任者であるRoger Sijlbing氏は、次のように言います。

どちらの材料が用途に適しているかを判断するには、さまざまなことを検討する必要があります。たとえば、自動車などの用途でさえ、ガラス繊維複合材料と炭素繊維複合材料の両方が適している場合があります。どちらが適しているかは、用途の要件と総所有コストによって変わります。

そこで、お客様が3Dプリンティング用途の要件に基づいて材料を選択できるように、さまざまな3Dプリンティングの要件に対してどちらの複合材料が(一般的に)適しているかを示した簡単なリストを作成しました。

要件勝者
価格の手頃さガラス繊維
引張強度炭素繊維
剛性炭素繊維
耐久性ガラス繊維
柔軟性ガラス繊維
軽量炭素繊維
耐熱性両方
耐薬品性両方
耐疲労性炭素繊維
耐UV性両方
ESD保護性能炭素繊維
電導性炭素繊維
電波の透過が可能ガラス繊維
複数の色を利用可能ガラス繊維

用途に応じて、このいずれかの特性が優先される場合は、これが参考になるでしょう。

しかし、3Dプリンティングのニーズを考慮しても、ガラス繊維と炭素繊維のどちらかを明確に選べない場合は、どうすればよいのでしょうか。その場合は、さらにいくつかの点を考慮して選択する必要があります。

それを理解するために、関連する製造プロセスを詳しく見てみましょう。

ガラス繊維と炭素繊維の製造方法

ガラス繊維

ガラス繊維が商業的に生産され始めたのは、1936年です。実はこの材料の発明が、現在のOwens Corning社の設立につながりました。

ガラス繊維を作るには、まずシリカを溶かして不純物を除去します。次に、この液状のガラスを、ブッシングと呼ばれる小さな穴の開いた熱い金属板を通して押し出します。約1,200°Cのこの糸状のガラスは、水や空気で冷やされてから、巻き取り機で引っ張られ、細い繊維に引き伸ばされます。

Owens Corning is a glass fiber specialist developing the composite filament XSTRAND
Owens Corning社は、2種類のガラス繊維複合フィラメント、XSTRAND®を開発した。これらのフィラメントの事前設定されたプリント設定をUltimakerマーケットプレイスからダウンロードできる

炭素繊維

炭素繊維の製造プロセスは分子レベルで行われています。炭素繊維は、価格が高いにもかかわらず、その剛性と優れた強度重量比により、自動車用途や航空宇宙用途において軽量化のための複合添加剤として選ばれています。

まず、液体のポリアクリロニトリル前駆体から作成された炭素原子の繊維状の混合物を、繊維同士が溶け合わないように約300℃で酸化させます。その後、無酸素オーブンで最高1,000℃の温度で炭化させます。このプロセスにより、原子が融合して不純物が取り除かれ、純粋な炭素原子で構成された高強度のストリングが生成されます。

その後、炭素繊維ストリングを表面処理槽に通し、炭素の表面をエッチングします。これにより、炭素繊維ストリングの弾性が増し、コーティング剤が付着しやすくなります。

3Dプリンティング用フィラメントで使用するための繊維のコーティング、カット、粉砕

専門用語では「サイジング」と呼ばれているコーティング剤(ポリウレタン、エポキシ、グリセリンなど)を使用することで、不活性のガラス繊維や炭素繊維を、混合するポリマーとより容易に結合することができます。コーティングにより、そのポリマーの化学的性質と合わせることで、接着結合が強化されるのです。

通常、繊維は最大7mmの長さにカットする際にコーティングされます。その結果、ポリマーマトリックス内に織り込まれた「長繊維」で強化された複合3Dプリンティング材料ができあがります。

しかし、3Dプリンティング用フィラメントに使用される炭素繊維やガラス繊維のすべてがコーティングされているわけではありません。

The manufacturing process for each glass or carbon fiber composite affects the mechanical properties of the 3D printed material
The manufacturing process for each glass or carbon fiber composite affects the 3D printed materials' mechanical properties

コーティングされないことやコーティングの質が低いことが、複合材料が安価である理由の1つとして考えられますが、複合材料を選ぶことが正しい選択である場合もあります。

これは特に、繊維を粉砕して微粉末にする場合に当てはまります。粉砕された繊維は「短繊維」と呼ばれます。短繊維は長さが30〜150ミクロンで、表面積が大きく、コーティングの必要性が低くなります。この場合、複合フィラメントは、炭素繊維やガラス繊維で「強化」されているというよりも、「充填」されていると表現した方が正確です。

粉砕した繊維をコーティングしないというアプローチは、必ずしも悪いことではありません。ただ、材料の特性が異なるだけです。複合材料は剛性や強度に劣りますが、耐久性や耐衝撃性がより高くなると考えられます。

コーティング、カット、粉砕の後、繊維はベースポリマーと混合されて複合材料となり、3Dプリンター用のフィラメントとして押し出されます。

この最終的なフィラメントの押し出しが重要なのは、ここで長いガラス繊維や炭素繊維がポリマーマトリックス内で配向されるからです。フィラメントの縦方向に繊維が向けば、3Dプリント部品の強度を高めるウィービング効果が生まれます(FFF 3Dプリンターが0.4mmまたは0.6mmのノズルから最大7mmの長さの繊維を押し出す機能を備えているのは、この向きが理由です)。

Be confident in your choice of composite material by understanding how manufacturers ensure high quality
最大7mmのガラス繊維または炭素繊維で強化されたフィラメントを、Ultimaker print core CC Redの0.6mmノズルから押し出すことができる

さまざまな複合材料の選択方法

一般的に言って、支払う金額が多いほど、質の高いものが得られます。複合3Dプリンティング材料も同じです。

小規模なフィラメントメーカーの複合材料は、低価格かもしれません。しかし、これらの会社は、複合材料を開発するための材料科学を必ずしも専門としていないため、大手の卸売業者から既製のペレットを購入している場合があります。そのような会社では、ポリマーマトリックス内で繊維を適切に配向させるために必要なトルクを持たない機械を使用して、自社でフィラメントを押し出しているため、結果的に質の低いフィラメントになってしまいます。

一方、大手メーカーは、数十年にわたって強化ポリマーを開発してきたノウハウを持っていますが、その多くは射出成形業界向けです。そのノウハウを積層造形に応用し、最高品質の繊維、コーティング、プロセスを使用して、ポリマーマトリックスを微調整し、工業用グレードの機械で押し出しています。その結果、ユーザーが必要とする機械的特性をより容易に3Dプリント部品に反映させることができるフィラメントが生まれます。

たとえば、Clariant社の複合フィラメントには、次のものがあります。

  • PA6/66-CF20

  • PA6/66-GF20

  • PA6/66-GF20 Flame Retardant Using Exolit®

  • PC+ABS-GF15

  • PLA-HI-GF10

BASF社の複合フィラメントには、次のものがあります。

  • PAHT CF15

  • PET CF15

  • PP GF30

Owens Corning社の複合フィラメントには、次のものがあります。

  • XSTRAND® GF30-PA6

  • XSTRAND® GF30-PP

Download predefined profiles from Ultimaker Cura to print composite materials with a high success rate
Download predefined composite material profiles from Ultimaker Marketplace for a plug-and-play 3D printing experience

まとめ:情報に基づいた選択を

これらの複合フィラメント(およびその他多数のフィラメント)は、すべてUltimaker Curaマーケットプレイスに掲載されています。

事前設定されたプリントプロファイルをダウンロードすることで、試行錯誤することなく、Ultimaker S5 Pro BundleやUltimaker S3でプラグアンドプレイの3Dプリンティングを実現できます。さらに、材料の説明とデータシートへのリンクにより、用途に適した複合材料を簡単に選択できます。

つまり、初めてのプリントでも、必要な機械的特性と高品質な結果をより確実に得ることができるのです。

また、炭素繊維やガラス繊維が3Dプリンティング用フィラメントの強化にどのように使用されているかをより深く理解することで、複合材料の多くの利点を自社の生産ニーズに活かすことができます。

マーケットプレイスにアクセスするには、こちらからUltimaker Curaを無料でダウンロードしてください。

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