Students using a 3D printer together

3Dプリンティングが高等教育にもたらす5つの大きなメリット

ガイド

あらゆる教育段階やあらゆる教科で、教育に最も有益な影響を与えているテクノロジーは何でしょうか。プロジェクター、プリンター、ノートパソコン、PCなどが考えられますが、私たちは、今後10年のうちに3Dプリンターもこのリストに加わることになると考えています。

高等教育機関の教授や管理者は、学生や教員に3Dプリンターがもたらすメリットについて、必ず知っておく必要があります。本記事では、3Dプリンティングがもたらす破壊的革新とポジティブな変化の一端をご紹介します。

3Dプリンターがこれまで以上に使いやすく、手頃に

これまで、3Dプリンターは高価なもの、あるいは限定的で使い勝手が悪いと敬遠していた方も、今こそ考え直すときです。この10年、3Dプリンターは大きな進歩を遂げ、価格が下がるとともに、これまで以上に高性能で信頼性の高い技術になりました。

特にFFF(フィラメントベース)およびSLA(樹脂ベース)のプリンターの進歩により、10年前にプリンターを1台購入するよりも安い価格で、すぐに使い始められるプリンターをラボ全体に設置することができるようになっています。場合によっては、プリンター1台の価格が学生の教科書1冊分の価格よりも安くなることもあります。

また、価格面のハードルが下がっただけではありません。必要な知識も大幅に減りました。3Dプリンターの操作に設計・製造と同程度の専門知識が必要だった時代は終わりました。

今日では、説明書を読み、基本的なトラブルシューティングができれば、誰でもプリンターを操作することができます。つまり、プロセス全体において専門家の手を借りることなく、学生が自分の手でプリンターを使用することができるのです。また、プリンターの信頼性がこれまで以上に向上しているため、継続的なメンテナンスの必要性も大幅に軽減されています。

Ultimakerでは、3Dプリンティングをできるだけ簡単に導入できるように、Ultimakerプリンターの購入ごとにUltimaker Academyへのアクセス権を付属しています。Ultimaker Academyのユーザーは、専門家が作成したオンラインコースのライブラリにアクセスできるため、初めて機械を使用するユーザーの操作方法の指導に役立てることができます。つまり、Ultimakerを購入すれば、教員も生徒も、教室で自信を持って使えるために必要な知識を身につけることができるのです。

Students using an Ultimaker.
フォンティス応用科学大学のObjexlabでは、学生たちが他のテクノロジーとともに3Dプリンティングを利用しています。

想像以上に汎用性が高い、3Dプリンティングという製造形態

3Dプリンターでは、驚くほど豊富な材料でプリントすることができます。材料には、さまざまな種類のプラスチックだけでなく、金属や炭素繊維入りフィラメントなど、さまざまなものがあります。これらの材料すべてに固有の特性の組み合わせがあり、柔軟性、硬度、耐熱性、耐薬品性など、成果物に必要な特性に応じて選択できます。

3Dプリンティングの用途には限りがないため、こうした点は非常にメリットです。3Dプリンターについて知っている人にとって、3Dプリンティングがエンジニアリングやデザインにどのように役立つのかについては周知の事実となっていますが、それだけではありません。3Dプリンティングは、生物学、地理学、数学などを学ぶ学生にとっても役に立つ、信頼できる実証済みの方法なのです。3Dプリンティングは、究極の分野横断型テクノロジーであり、教員と学生の想像力次第でその活用方法は限りなく広がっていきます。

たとえば、トーマス・ジェファーソン大学のHealth Design Labでは、臨床医、学生、患者の支援に3Dプリンターを使用しています。Health Design Labは、患者のCATスキャンやMRIを3Dプリントすることで、外科医がこれから手術する患者の人体構造モデルを手に取って調べることができるようになると考えています。

Thomas Jefferson University
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学生が3Dプリンティングに触れられる環境を作り、夢中にさせる

3Dプリンターが動いているのを初めて見るときに、人によっては表情が目に見えて変わることがあります。3Dプリンティングを導入することになれば、初めてプリンターを使うことになるときに学生たちの表情が変わるのを目の当たりにするはずです。

理論の題材やページ上の言葉でしかなかった3Dプリンティングを、触って主体的に関わりをもつ具体的なものへと変えることができます。ひとたび3Dプリンティングを導入すれば、学生たちが作り上げる素晴らしい作品とその熱意に驚くはずです。

この熱意をポジティブな方向に導いている好例が、3Dプリントの整形外科器具を研究しているニューヨーク大学タンドンスクールのチームです。脳性まひなどの退行性筋疾患の子どもたちのために、カスタマイズされた低価格の3Dプリント装具を設計、製作することを目指しています。このチームは垂直統合型プロジェクト(VIP)であるため、参加する学生は長期的で持続可能な研究プロジェクトに貢献しながら、学位取得のためのコース単位を取得することができます。

VIP-students-at-a-research-expo
2018年の研究展示会で、3Dプリントしたバイオメディカルデバイスを見せるVIP(垂直統合型プロジェクト)の学生たち

3Dプリンティングが新しいレベルのイノベーションを実現する

高い意欲を持ったユーザーに汎用性の高い技術を用意することが、イノベーションを生む秘訣です。

3Dプリンティングは、画期的なカリキュラム、学際的なコラボレーション、先進的な研究プロジェクトなど、幅広い活動を可能にする可能性を秘めています。3Dプリンティング技術がもたらす可能性によって、これまでに多くのスタートアップ企業が大学内からも誕生しています。

そのチャンスを逃さず成功している企業の1つにPROTECT3Dがあります。デューク大学アメリカンフットボール部の元選手によって設立されたこの企業は、選手の人体構造をスキャンし、そのスキャンデータを使って防具を設計・プリントすることで、カスタムメイドのスポーツ用品を製作しています。

PROTECT3Dの設立には感動的なエピソードがあります。デューク大学アメリカンフットボール部のクォーターバックだったDaniel Jones氏が鎖骨を骨折し、矯正手術を受けなければならなかったことが同社の原点でした。当時、同氏のチームメイトだったKevin Gehsmann氏とClark Bulleit氏は、3Dプリンティングの可能性を感じ、鎖骨を保護するパッドを設計・プリントしました。その結果、同氏はわずか3週間でフィールドに復帰することができました。

3D printed protective collarbone pad
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Kevin氏とClark氏は問題を特定し、革新的なソリューションを生み出し、そのソリューションを使ってPROTECT3Dを設立しました。同社は、NFL 1st & Future Pitch Competitionで5万ドルの賞金を獲得し、数多くのプロスポーツチームや組織を顧客に持っています。

PROTECT3Dのような企業の存在は、3Dプリンティングを早期に導入することで、学生でも学内外で大きなインパクトをもたらす可能性があることを物語っています。

想像以上の柔軟性を発揮する3Dプリンティング

COVID-19のパンデミックは、以前は過小評価されていた3Dプリンティング技術の側面、大規模で全体的な混乱に対してきわめて強いという点を浮き彫りにしました。

3Dプリンターは、操作に多くの人員を必要としません。デスクトップ型プリンターは、コンパクトで置き場所を選ばないのが特徴です。また、複雑な設置条件もありません。基本的には、必要なものは電源とプリントする材料だけです。これにより、パンデミックの期間中、既に3Dプリンティング機能を持っていた機関の多くは、プリンターを動かし続けることができました。プリンターを個々の教室に移動させれば、ソーシャルディスタンスの要件にも対応できます。プリンターやプリンターのオペレーターにリモートで成果物を送り、完了後に受け取りや転送を行うことができます。また、学生によっては、プリンターを在宅で実行できる事例もありました。

そのため、3Dプリンティングラボの設立を検討している場合でも、メイカースペースや教室に1~2台のプリンターを追加することを検討している場合でも、安心してください。適切にメンテナンスし、責任を持って運用する限り、このきわめて混乱した状況であってもプリントを継続することができます。

また、世界的なパンデミックに脅かされていないときでも、モバイルカートに載せて必要な場所に移動して使うことができるほど融通が利きます。実際、カリフォルニア大学サンフランシスコ校は、3Dプリンティングで大きな成功を収めています。

他の教育関係者の声を聞く

教育機関が3Dプリンターを驚くべき方法で使用している事例は、この記事に収まらないほど数多くあります。そこで、さらに知りたいという方のために、3人の著名な教育関係者が3Dプリンティングの多用途性と導入しやすさをどのように活用しているかについて意見を交わす座談会ウェビナーをご用意しています。

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