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耐摩耗性材料:初心者向けガイド

用途

3Dプリンティングにおいて「耐摩耗性」とは、通常の使用時に繰り返し接触しても損傷に耐える材料の性能を指します。摩耗により損傷を受けると、部品の表面が徐々に失われ、変形や形状不良が生じます。

耐摩耗性が重要である理由

部品が摩耗しやすいと、最終的に部品の効果がなくなったり、非効率になったりするほか、危険な状態になることもあります。耐摩耗性材料でプリントされた部品は、耐久性に優れているため、交換せずに長期間使用できます。また、耐摩耗性だけでなく、材料の摩擦係数を考慮することも重要です。摩擦係数は、ある物質がその上を移動する材料や物質に与える抵抗の大きさを表します。プラスチックは一般的に摩擦係数が低いため、プラスチック材料は耐摩耗性部品の3Dプリンティングに最も適しています。

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耐摩耗性材料の一般的な用途

耐摩耗性材料は、機械工学、自動車業界、エレクトロニクス業界や、以下のものを含む部品や製品を生産する環境でよく使用されます。

可動部品。ギア、ブッシング、ベアリングなどの可動部品を使用する用途やプロセスでは、摩耗による損傷が発生しやすい傾向があります。そのため、耐摩耗性材料が重要となります。

工具。組立環境や製造環境で使用される工具、治具、固定具に耐摩耗性があれば、メンテナンスや交換の頻度が少なくて済みます。これにより、ワークフローを迅速に保ち、コストを可能な限り削減できます。

最終用途部品。耐摩耗性材料で作られた部品は、長持ちし、耐久性も高いため、コスト削減につながります。

その他に知っておくべきこと

トライボロジーを知る。「トライボロジー」とは、摩擦、潤滑、摩耗に関する学問であり、相対的な運動の中で接触する表面を対象とした科学的および工学的研究を指します。耐摩耗性に関するトピックで、よく使われる言葉です。

部品の交換時期を知る。Ultimaker Curaには「外壁用エクストルーダー」の設定項目があり、外層は耐摩耗性材料、内側はPLAなどの安価な材料を使用するよう設定できます。材料の色を分けることで、部品が摩耗してきたときに色が消え始めるため、交換の必要性があることがすぐにわかります。

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3Dプリントで作成された自動車用のウィンドウゲージ。黒のTPUで作成されており、使用しているうちに摩耗して、交換の必要性をユーザーに知らせてくれる

表面への影響を最小限に抑える。TPUなどの柔らかい材料を部品の外層に使用することで、表面への影響を最小限に抑えることができ、ストレスの多い環境でも部品を長持ちさせることができます。この手法は、プリント面とガラス瓶の間に継続的な動きと摩擦が生じるHeineken社のボトリング工場での用途(次の画像を参照)で見ることができます。

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Heineken社のボトリング工場では、ガラス瓶との継続的な接触に耐えられる、耐摩耗性のある部品をTPUで3Dプリントしている

添加剤を活用する。耐摩耗性材料は、ガラスや炭素などの添加剤を使用することで強化できます。また、固体潤滑剤を使用することで、余分な潤滑が不要となり、摩耗の軽減、優れた動作特性、メンテナンス作業の大幅な削減などのメリットが得られます。

当社の耐摩耗性材料パートナー

耐摩耗性材料を提供するUltimakerの材料パートナーの一部を以下に紹介します。その他の情報は、Ultimakerマーケットプレイスをご覧ください。

Igus GmbH

  • Igus iglidur® I150 Tribofilamentは、ベアリング材料として、また摩耗部品に使用するために開発された特殊材料です。その使いやすさと高い耐摩耗性により、動きや摩擦を伴う用途において頼りになる材料です。

  • Igus® iglidur® I180 Tribofilamentは、ベアリング材料として、またあらゆる種類の摩耗部品に使用するために開発された特殊材料です。動きや摩擦を伴う用途では、追加潤滑が不要になります。

「当社のiglidur材料は、当初、低摩耗、無潤滑での動作を可能にするベアリングやあらゆる種類の部品に使用するために開発されたものであり、『モーションプラスチック』というキャッチフレーズが付けられています」Igus GmbH社の積層造形部門の開発エンジニアであるNiklas Eutebach氏は、このように語ります。「この材料は一般的に、回転、旋回、滑動など、あらゆる種類の動きを伴う組立品に使用されます」

Jabil

  • Jabil PA 4535 CFは35%のCFを含むPA共重合体で、同様の製品と比べて高い剛性、強度および靱性を実現します。40%向上した強度と一定の延性に加え、ESD保護が備わっています。

「Jabil PA 4535は、ドローン、スポーツ用品、ブラケットなど、従来のフィラメントを超える強度と剛性を必要とする複数の市場から注目を集めています」Jabil社の製品管理および積層造形担当ディレクターであるMatt Torosian氏は語ります。「また、PA 4535 CFとPA 4500のベースポリマーは、優れた耐摩耗性と摩擦特性を必要とする用途に対応するための基盤となります。これらの材料に、ミネソタ州にあるJabil Materials Innovation Centerのアプローチを反映することで、Ultimakerなどのオープンプラットフォームでのプリントに適した、優れた耐カール性、低収縮性、高流動性を備えた強化材料を開発しています」

LEHVOSS Group

  • LUVOCOM 3F PAHT® CF 9891 BKは、高温炭素繊維強化ポリアミド系材料です。高強度かつ高剛性で、吸水性が最小限に抑えられています。

  • LUVOCOM 3F PAHT® 9825 NTは、高温ポリアミド系材料です。そのプリント適性を犠牲にすることなく、PA6の強度を実現しています。

「材料の耐摩耗性と摩擦性能は、速度、圧力、温度、表面粗さなどのトライボロジーシステムに依存します。「そのため、私たちはトライボロジーに注力しています」LEHVOSS Group社の3Dプリンティング材料責任者であるThomas Collet氏は語ります。

Ensinger GmbH 

  • Ensinger TECAFIL PA6 GF30 Blackは、TECAFIL PA6 GF30 Blackという商標名で製造されている30%のガラス繊維で強化されたポリアミドです。非強化ポリアミド6に比べ、より高い強度、剛性、クリープ強度、寸法安定性を備えています。

「3Dプリンティングでは、強度の高さがますます重要になりつつあります。当初は部品のデザインが重視されていましたが、機械的特性の重要性が増したことで、生産部門は最終用途部品を重視するようになっています」Ensinger GmBH社の製品開発部門のDilara Yüce氏は語ります。「耐摩耗性に優れたPA 6 GF 30材料は、高い寸法安定性と優れた耐熱性を約束します。優れたプリント適性を重視するなら、耐摩耗性を常に考慮することをお勧めします」

Ultimakerの耐摩耗性材料パートナーについて詳細な情報をお求めの場合は、Ultimakerマーケットプレイスで耐摩耗性材料のページをご覧ください。

さらに、耐摩耗性材料に対応したUltimakerの各種3Dプリンターについてもご確認いただけます。

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