3Dプリンティングのサポート材料：PLA、PVA、Breakawayのどれを使用するべきか

David Roberson5 December 2017

用途

UltimakerのBreakawayサポート材料のリリースにより、3D成果物をサポートするための選択肢がさらに増えました。しかし、お客様の設計にはどれが適しているでしょうか。ここでは、さまざまな選択肢とその使い分け方について説明します。

FFF 3Dプリンターでは、サポート材料を使用することで、重力のために不可能だったモデルのプリントが可能になります。サポート材料によって、その上にある材料が「サポート」されるため、オーバーハングや空洞などのフィーチャーを持つ造形物をプリントできます。

サポート材料を使用したモデル

And with support material removed

上級ユーザーにとっては、サポート材料を使用することで、設計の自由度を高めることができます。最適の結果を得るためにモデルの向きを思いどおりに設計したり、サポート材料を取り外すと自由に動く可動部を組み込んだ設計を作成したりできます。

ビルド材料によるサポート

3D成果物をサポートするための従来の方法です。たとえば、PLAでプリントする場合、Ultimaker Curaなどの3Dプリンティングソフトウェアでは、同じ材料でプリントするモデルのためのサポート構造を作成できます。

シングルノズルの3Dプリンターを使用している場合、サポート構造をプリントするにはこの方法しかありません。また、材料の適合性を考えるのが面倒な場合にも、この方法をおすすめします。すべてのビルド材料に別のサポート材料との適合性があるわけではありません。

ビルド材料によるサポートを使用する主な欠点は、サポートを手動で取り外す際に、元の設計と比較して100%正確なモデルを得ることができないことです。サポートを削りすぎたり、やすりをかけすぎたり、小さな凹凸を残したりすると、モデルは設計とは少し異なる形状になってしまいます。

これは、3D成果物が非常に正確である必要がある場合、たとえば、部品の適合性や形状をテストするためにプロトタイプを作成する場合などに問題となります。

また、サポートを削ったり、やすりをかけたりすると、3D成果物の表面が損傷することがあり、良質な表面仕上げを得るためには、研磨などの後処理技術が必要になります。

ビルド材料によるサポートを取り除くには、切断器具（ほとんどの人はナイフやペンチを使用します）と、最終的な痕跡を取り除くためのサンドペーパーが必要です。

複数の材料をプリントできる3Dプリンターであれば、ビルド材料に、取り除きやすい別のサポート材料を組み合わせることも可能です。

PVAは水溶性のサポート材料です。水に浸すと溶けてなくなるため、ほぼ完全に自由な設計が可能です。大きなオーバーハング、空洞、複雑な形状も可能で、サポートを取り除く際に成果物に傷がつく心配もありません。非常に滑らかな表面を作成できます。

PVAの欠点は、楽に取り除くことができる一方で、溶解するのに数時間かかるため、3Dプリンティングのワークフローに支障をきたす可能性があることです。また、PVAは他のサポート材料に比べて高価で、適切に保管しないと品質が低下する可能性があります。

Ultimaker PVAは、PLA、ナイロン、CPEと組み合わせての使用に最適です。

PVAを取り除くために必要なものは、モデルが入る大きさの、水道水を入れた容器だけです。PVAの溶解方法については、完全版ガイドをご覧ください。

Breakawayは、Ultimakerが提供する最新のサポート材料で、他の種類のサポートといくつかの類似点があります。

ビルド材料と同様に、Breakawayは手で取り除くことができます。しかしPVAと同様、Breakawayはデュアルノズルでプリントされる別の材料です。

そのため、Breakawayは他のサポート材料の利点をバランスよく併せ持っています。Breakawayは手で取り除くことができるため、溶けるまで何時間も待つ必要はありません。また、成果物の他の部分からきれいに剥がすことができるため、正確なモデルが得られ、後処理の必要もありません。

しかし、表面を最も滑らかに仕上げるには、やはりPVAをお勧めします。また、プリント時にはBreakaway材料を取り除ける位置に配置しなければならないため、完全に自由に設計できるわけではありません。

Ultimaker Breakawayは、ABS、ナイロン、PLA、CPE、CPE+と組み合わせての使用に最適です。

Breakawayサポートを取り除くには、各種のペンチが必要です。Breakawayを取り除く方法については、完全版ガイドをご覧ください。