3D printing in the classroom

教室で3Dプリンティングを実施する5つのヒント

ガイド

多くの教育関係者にとって、教室用に新しい3Dプリンターを導入することで得られることへの期待と現実は大きく異なる場合があります。

教室への導入を考えるとき、

「3Dプリンターによってカリキュラムはどのように変わるだろうか」、「3Dプリンターで生徒はどんな素晴らしいものを作るだろうか」といった、大きく野心的な疑問が頭に浮かびます。

ところが現実は、プリンターを使い始めると、

「このボタンは何だろうか、どの材料を使用するべきだろうか」「なぜこのプリントにはここまでの時間がかかるのだろうか」といった疑問が出てきます。

3Dプリンターを何でもできる魔法の箱のように思われるかもしれませんが、実際のところは他と同じように1つのツールです。3Dプリンターを最大限に活用するためには、正しい使い方を知る必要があります。今回は、教室で使う3Dプリンターをもっと活用するための5つの方法についてご紹介します。

1 - 速度がすべてではないが、役に立つ

何もない状態から(しかもプラスチックで)モノづくりができることは驚くべきことですが、時間もかかります。場合によっては、時間がかかり過ぎることもあります。最小の成果物でなければ完成に数時間、大きな成果物では数日かかります。

自宅で個人的にプリントする場合や、何十台ものプリンターが24時間稼働しているプリンティング施設では、さほど問題はないかもしれません。しかし、教室でプリントしたい学生の人数に対してプリンターの台数が足りない場合には、思わしくない結果に終わってしまいます。幸いなことに、信頼性を犠牲にすることなく、プリンターを高速化する方法があります。

まず、ノズルを大きくしてレイヤー高さを上げることです。これにより、成果物の見た目の滑らかさが若干損なわれますが、ほとんどの場合、それほど支障はないはずです。Ultimakerを含むほとんどのプリンターには、0.4 mmのノズルが付属しています。0.8 mmのノズルを使うことで、プリント時間を文字通り半分にすることができます。レイヤーの高さを上げる場合も同様です。

Ultimaker CuraをUltimakerプリンターで使用する場合、「ドラフト」インテントプロファイルを使用することもできます。これらのプロファイルは速度のために最適化されており、その他にも高速プリントを実現するためのさまざまな細かい調整が行われています。

次に、インフィルの設定を変更することです。構造的な強度を必要としないパーツであれば、インフィルの割合を20%程度まで下げても、プリントが失敗する可能性を心配する必要はありません。これにより、使用する材料が少なくて済み、それに伴いプリント時間も短縮できます。

Ultimaker Curaを使用している場合、さらに良い方法として、ライトニングインフィルを試すこともできます。ライトニングインフィルは、最近Ultimaker Curaに追加された新しいインフィルパターンで、空洞のプリント成果物の内部に木のような支持構造を作り出します。これにより、材料の使用量を劇的に減らすことができ、固体造形物をプリントする場合と比較して、90%もの削減になります。ここでも、構造的な強度を必要としないパーツであるかということを留意する必要があります。

2 - 教員も時には学ぶ必要がある

プリンターの仕組みを知っていれば、使い方を教えるのは非常に簡単です。幸いなことに、3Dプリントの方法を学ぶためのリソースは以前より多くなっています。しかし、そのような選択肢ばかりでは、最短かつ最も効果的な教育方法を見つけることは難しいでしょう。

Ultimaker Academyにアクセスしてみてください。

Ultimakerが作成した最高品質のオンラインコースがいくつもあり、3Dプリンティングの習熟段階に合わせた導入とスキルアップ支援になるように特別にカスタマイズされています。Ultimaker Academyを利用すれば、3Dプリンティングの知識を次のレベルに引き上げることができるほか、用意されたレッスンを使って学生の指導に役立てることもできます。

さらに、プリンターの使用経験が増え、かなり具体的な質問に対する回答が必要になってきた場合も、サポートサイトにある豊富なリソースを使ってさらに知識を深めることができます。もちろん、本記事のような3Dプリンティングに関する幅広いトピックの長文記事についても、Ultimaker.comでご覧いただけます。

3 - 学生が失敗しないようにサポートする

High school 3D printing project

3Dプリンティングで時間とリソースを浪費する大きな原因の1つは、プリントの失敗です。何時間もかかるプリントが最後の最後で失敗し、また最初からやり直しになることほど辛いことはありません。

幸いなことに、プリントの失敗を避けるためにできることはたくさんあります。1つ目は、正しく設定しているかどうかです。多くのパーツには、サポートが必要です。いつ、どのように使うかを正しく知ることで、確実にプリントできるものが広がります。利用できるサポートには複数の種類があり、Ultimaker S5のようなデュアルノズル機械で使用するための専用材料もあるため、サポートの設定には慣れが必要です。主に可溶性サポートとBreakawayサポートの2つがあります。幸いなことに、これらの設定の使用方法については、豊富に情報を用意しています

Ultimakerプリンターを使用している場合、Ultimaker材料またはUltimaker認定材料を、それらの材料用のカスタムインテントプロファイルとともに使用するオプションも用意されています。これにより、あれこれ調整することなく確実に問題なく機能するように特別に調整、テストされるため、プリントの信頼性が大幅に向上します。

最後に、スライスした後に学生のファイルを確認することができます。ほとんどのスライサーはこの機能を備えています。Ultimaker Curaを使用している場合、設定バーのすぐ上、または画面右下のプリント/保存ボタンの横にある「PREVIEW」をクリックすると、この操作が可能です。この操作により、サポート材料を配置する場所を示すバージョンの3Dモデルが表示され、画面の右側にあるスライダーを使用してレイヤーごとに調べることができます。

Cura preview mode

正しく使えば、プレビューモードによって成果物がビルドプレートに正しくセットされているかどうか、モデルにサポートが必要かどうかを判断することができます。サポート設定が有効になっている場合、それが十分なものかどうか、サポート設定を変更する必要があるかどうかを確認できます。レイヤースライダーでは、モデルの内部を見ることができ、モデルに十分なインフィルがあるかどうかを確認することができます。これらのチェック項目は、プリントを開始する前に失敗しそうなプリントを見つけるのに役立ちます。

4 - 学生に失敗をさせる

Failed prints

プリントを成功させるためのツールが揃っているため、生徒のプリントを一つ一つ成功させるために、細かく管理したくなることもあるでしょう。しかし、失敗した成果物からも、成功した成果物と同じくらい多くのことを学ぶことができるという考えもあります。成功よりも失敗からの方がはるかに多くのことを学べるかもしれません。

時には手綱を離し、生徒に失敗をさせることで、サポートやインフィルといった最新のスライサーの派手な機能がなぜ存在するのかを教えることができます。

3Dプリンティングは、基本から一歩踏み出すと、さまざまな要素を考慮しなければならない複雑なプロセスになることもあります。毎回異なる間違いをし、そこから学びを得る限り、学生は批判的思考力を鍛えることができます。同じ間違いを繰り返すようであれば、正しい解決策を導く手助けが必要かもしれません。

学生に見せるために、少なくとも失敗した成果物をいくつか保管しておくことをお勧めします。部分的に失敗したプリントも、完全に失敗したプリントも、プリントの際に何がうまくいかないかを示す良い例となります。

5 - プリンターを最新の状態に保つ

プリンターの定期的なメンテナンスを行うことは、プリンターを長く使い続けるためのポイントです。一般的に、FFFプリンターの定期メンテナンスで必要なことは次の5つです。

  • 部品の損傷や磨耗がないか一般的な点検を行う

  • プリンターの可動部には常に注油しておく

  • ベルトを常に張った状態に保つ

  • 余分なゴミ、汚れ、フィラメントの破片を取り除き、特にファンを清浄に保つ

  • プリンターノズルを清浄に保ち、目詰まりがないか点検するともに、損傷している場合は交換する

上記の内容はプリンターによって多少異なる場合があり、プリンターによってはより簡単にメンテナンスを行えるものもあります。プリンターメーカーごとの詳細なメンテナンス手順もあります。幸いなことに、最も信頼性の高いプリンターの一つであるUltimakerのプリンターをお持ちの方は、メンテナンスをできるだけ簡単に行うことができます。

プリンター前面のタッチスクリーンを使って、メニューのメンテナンスオプションに移動することができます。さらに、プリンターの各部品に移動して、必要なメンテナンスと実施方法の説明を見ることができます。同じセクションで、プリンターの自己診断を行い、注意を要する問題がないかどうかを確認することも可能です。

メンテナンス手順は、Ultimaker Digital Factoryとサポートサイトからも確認できます。また、Digital Factoryでは、メンテナンスの頻度を指示し、定期メンテナンスの時期も通知してくれます。

本記事でお伝えしたヒントが、プリンターを最大限に活用し、教室での新たな活用法を見出すきっかけになれば幸いです。Ultimaker Academyについてもぜひともご覧いただき、プリンターとその機能についてさらに理解を深めていただければと思います。

詳しく見る

その他のブログを読む